1.家族関係登録簿整理(以前の戸籍整理)の意義

 

戸籍整理とは、簡単にいえば、『様々な法的手続や申請によって、韓国の戸籍簿に記載されること』を表します。 (ここでは外国人登録証上の「国籍等」が「韓国」であるか「朝鮮」であるかを問いません)。

戸籍とは、国民ひとりひとりの出身地や家族関係などの「身分関係」を証明する公文書のことであり、その国の国籍を有する者はすべてこれに記載されています。つまり、戸籍とは、国籍を証する文書でもあるのです。
ちなみにこれを写したものを「戸籍謄本」と言います。

 

ところで、2008年度から韓国では「戸籍制度」が廃止され「家族関係登録制度」がスタートしました。(詳しくは「質問にお答えします。10」をご覧ください)

すでに戸籍に記載されている人は、個人が申告することなく自動的に、「戸籍」から「家族関係登録簿」が作成されます。

 

家族関係登録簿整理とは、簡単にいえば『様々な法的手続や申請によって、韓国の家族関係登録簿に記載されること』を表します。

 

家族関係登録簿とは、国民ひとりひとりの出身地や家族関係などの「身分関係」を証明する公文書のことであり、韓国の国籍を有する者はすべてこれに記載されています。つまり、家族関係登録簿とは、国籍を証する文書(電算化されています)でもあるのです。
ちなみにこれを写したものを「家族関係記録事項証明書」と言います。

 

私たち大多数の在日コリアンは、外国人登録証を持っていれば、特別永住者としての法的地位が保障されており、日本国内において日常生活を営むにはほとんど支障がありません。
その意味では、自らのルーツをたどるといった歴史的意義を除けば、家族関係登録簿整理の必要性は高くないように感じるかもしれません。

 

しかしながら、旅行や留学を目的として日本国外へ渡航しようとするとき、家族関係登録簿整理は非常に重要な意味を持ってきます。

 

まず、私たちが日本国外へ渡航し、戻って来る方法を紹介しましょう。

(1)日本政府から再入国許可証を発行してもらう。 (以前はこれだけを持って海外に出かける無謀な人がいましたが、最近は殆ど無理なようです。)

(2)総連中央発行の「パスポート」を持っていく。

(3)家族関係登録簿未整理の韓国籍の方及び朝鮮籍の方は韓国政府に「臨時パスポート」を発行してもらう。

(4)韓国政府発行の正規のパスポートを取得する。

 

渡航先で何の問題も発生せず無事に日本に帰って来られた場合は、上記4つのいずれの方法で渡航しようとも、全く差異は生じません。

ただし、何らかの事件・事故などに巻き込まれた場合、または渡航先の国でテロなどの非常事態が発生した場合、その際所持している渡航書類によって、安全性に大きく違いが出てきます。

 

[引用開始]

りょ‐けん【旅券】
外国へ旅行する者の身分・国籍を証明し、その便宜供与と保護を依頼する文書。発行者は外務大臣または領事。これを所持しない者は出入国を禁止される。旅行免状。パスポート。(広辞苑第六版2008.1.11)

 

韓国政府発行の正規のパスポートは、海外に渡航する者の国籍及びその他身分に関する事項に証明を与え、渡航先の外国官憲に保護を依頼する機能を持っています。

 

また、世界各国に点在する大使館や領事館は、管轄する地域に滞在する国民の安全を保障し、生命や権利を守る義務があります。

つまり何らかのトラブルに遭遇した場合、正式な国籍があることによって交付された(4)正規のパスポートを所持していれば、韓国の法の下、政府により保護されます。

 

しかしながら上記(1)〜(3)は正式な国籍を証明するものではないので、非常に不安定な立場になります。法的に韓国政府は保護する義務は生じず、また朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は一般国民の海外渡航を一切認めていないのでこのような事態を想定していません。

そして身分を証明するものが「パスポート、のようなもの」では、滞在先の警察機構にも厳しく取り調べを受けるのは間違いないでしょう。

 

以上から分かるとおり、日本国外へ「身分上」安全に渡航するには、韓国政府発行のパスポートを取得するのが最も有効であり、そのためには韓国国籍の取得、つまり家族関係登録簿整理が必要になってくるのです。

 

ところで、パスポートを必要としない人は正規の国籍が無くても良いのでしょうか。

在日コリアンが正規の国籍を取得して、世界に通用するパスポートを取得する方法は、わかりやすく言うと二つしかありません。

 

批判を恐れずハッキリと言います。日本国籍を取得して日本のパスポートを取得するのが一つ目の方法です。(誰も批判しませんか?)(笑)

二つ目は、韓国の家族関係登録簿を整理して韓国籍を取得し、正規の韓国パスポートを取得することです。

 

上の二つの方法でパスポートを取得することが不可能な人は、果してどういう法的身分なのでしょうか。

大きく二つに分類して見てみましょう。

 

まずは、1945年8月15日以前に生まれた人。

@韓国の家族関係登録簿に記載されているのに、そのことを知らないか、又は重要だと気付いていない。

A韓国の家族関係登録簿に名前又は生年月日が間違って記載されているが、それが問題だと気付いていない。

B何かの間違いで韓国の家族関係登録簿に記載されていないが、それが「無国籍」だと気付いていない。

 

次に、1945年8月15日以降に生まれた人。

C幸運にも韓国の家族関係登録簿に記載されているのに、そのことを知らないか、又は重要だと気付いていない。

D幸か不幸か韓国の家族関係登録簿に名前又は生年月日が間違って記載されているが、それが幸か不幸か分かっていない。

E家族や親戚の誰ひとり関心がなくて韓国の家族関係登録簿に記載されていないが、本人も全く関心がない。

 

以上の@からEの人は、正規の国籍が無いために、韓国の正規のパスポートを取得することが不可能な人です。

 

パスポートを取得することが出来ないだけなら、海外にさえ出なければ何ら不自由はないと思いますが、正規の国籍が無いとなれば只事ではないですね。

 

日本の植民地であった時代に我々の父母・祖父母は、自分の意思とは無関係に「日本国籍」でした。

1945年8月15日の祖国解放、その6年後である1951年9月のサンフランシスコ講和条約により、またしても自らの意思とは無関係に日本国籍を奪われ「無国籍」になりました。

この時から現在までに韓国籍又は日本国籍を正式に取得した人以外は、厳密には「無国籍」であり、いくら大目に見ても「国籍が不完全」であると言わざるをえません。

 

外国人登録上の「朝鮮籍」を「北朝鮮国籍」だと思い込んでいる人が未だにいます。

共和国政府の在外公民登録をした人がいるのなら共和国政府発行の「在外公民登録証」をぜひ見せてください。

 

「朝鮮籍」は厳密には無国籍です。ただ、救いようの無い、お先真っ暗な無国籍ではなく、法律的な手続きさえ踏めば正規の韓国籍を取得することが出来る無国籍です。

つまり他の外国人や中国の朝鮮族のように韓国への帰化申請は、する必要がありません。

 

統一した暁にはひとつになるのですから、南北どちらでも正規の国籍を取得しておけば良いのではないでしょうか。

最も重要なことは、在日コリアンが北朝鮮の国籍を正式に取得する方法が現時点では無い、ということに早く気付くことです。 

 

日本への帰化を視野に入れている方へ。

韓国の家族関係登録簿を整理して韓国籍を取得したのちに帰化することをお勧めします。

韓国の家族関係登録簿が無いより有った方が、帰化申請がスムーズに行くからです。

無国籍又は「不完全な国籍」から帰化するより「正規の国籍所有者」から帰化した方が良いということは誰にでも分かると思います。

それと、万が一、将来韓国籍に戻りたい時に「国籍回復許可申請」をすれば比較的簡単に戻れるからです。
「朝鮮籍」から、或いは韓国籍であっても韓国の家族関係登録簿が無い状態から帰化した場合は、将来戻る場所がないので帰化申請が必要です。

 

2.家族関係登録簿整理の方法(3ルート)

 

みなさんが家族関係登録簿整理をする方法は3つのルートがあります。

【その1】 自ら駐日韓国大使館領事部か総領事館に足を運んで申請する

<メリット>

家族関係登録簿整理に必要な申請および手続を全て個人で処理することになるので、時間はかかりますが、うまくいけば費用は最も安く済みます。

<デメリット>

大使館領事部や領事館の近くにお住まいの方は結構かもしれませんが、遠い方は一往復するだけでかなりの時間と交通費を費やすことになります。また、現在韓国にある家族の家族関係登録簿の状態や、家族関係登録簿に関する法律に充分な知識がなければ、10〜20回足を運ぶ羽目になりかねません。時間的余裕と根気がある方はチャレンジされることをお勧めいたしますが、結果的には一番費用と時間がかかるかもしれません。因みに領事館は、原則として本人が作成した書類を受理するだけです。 
 

【その2】 民団に依頼する

<メリット>

団費などを含むお金さえ払えば全部代行してくれます。ただし日本の役所に各種証明書を発行してもらうのは本人しかできないので、それには自らが足を運ぶ必要があり、その点は他の方法と同じです。

<デメリット>

これはあくまでも不特定多数の方から聞いた話であることをお断りしておきますが、対応が決して親切とは言えないそうです。また「総連系」の方は今さら民団に足を運ぶのが正直億劫(おっくう)なのではないでしょうか。


【その3】当事務所に依頼される

<メリット>

当事務所は領事館や民団といった日本国内の機関を経由せず、本人が、本人の資格で直接本国の市・区庁、邑・面事務所へ申請されるのを完全サポートいたします。所長を含め所員は本国の家族関係の登録等に関する法律および日本の諸法律に長けた者ばかりですので、各種証明書を不備なく揃えることができ、ひとつひとつの申請手続きを丁寧にサポートいたします。そして、錯誤のない正しく記載された家族関係登録簿を作成することができます。
結果的には費やす費用と時間が、最も少なく済ませることができると自負しております。
特筆すべきは、当事務所を通す申請は関連法だけをクリアーすれば済みます。

領事館及び民団を通す申請は、関連法は勿論のこと、それ以外のルールをクリアーするのが想像以上に困難なことがあります。

<デメリット>

まだ開業5年ですので、所長はともかく所員の経験の浅さは否めません。
しかしながらスタッフ一同、誠意と情熱を持って案件処理に努めます。

 

3.当事務所の整理方法(要点)

 

最初に、ご家族の家族関係登録簿がどこまで整理されているかを確認させて頂いた上で、家族構成や必要な証明書類がどこまで揃うかを調べたのち、家族関係登録簿整理に関するご家族のご希望を考慮しながら整理の範囲と方法を決めます。
 
 「在外国民の家族関係登録創設、家族関係登録簿訂正及び家族関係登録簿整理に関する特例法」(以下、特例法)に従って整理が可能なものは「特例法」に従って申請します。 


「特例法」とは、海外で長期間居住している在外国民の特殊性を考慮し、より迅速・簡便に家族関係登録簿の訂正・整理等をできるように作られた法律です。 
「特例法」に従って申請する場合には原則として、領事館発行の「在外国民登録簿謄本」と市・区役所発行の「出生届・婚姻届・死亡届の証明書」などの公的証明書を添付する必要があります。(例外有り)
 
 「特例法」に従って申請できないものは「家族関係の登録等に関する法律」に従って申告します。


◇新たに家族関係登録簿に記載されるための五つの方法


例えば日本の法律上あなたはご両親の婚姻中の子として市・区役所に出生届が出されているとします。ところがあなたとご両親の3人が韓国の家族関係登録簿に記載されていないとします。あなたの登録簿を作る方法は次の五つのうちのいずれかです。

@ご両親の登録簿をそれぞれ作ったあと「婚姻の家族関係登録簿整理申請」をした上で韓国の法律上ご両親の婚姻中の子として「出生の家族関係登録簿整理申請」(市・区役所発行の「出生届の証明書」が無い場合は出生申告)をしてあなたの登録簿を作る。

Aご両親の登録簿をそれぞれ作ったあと婚姻整理をすることなく韓国の法律上父親の婚姻外の子として出生整理をしてあなたの登録簿を作る。

B父親のみ登録簿を作ったあと韓国の法律上は父親の婚姻外の子として出生整理をしてあなたの登録簿を作る。

C母親のみ登録簿を作ったあと韓国の法律上は母親の婚姻外の子として出生整理をしてあなたの登録簿を作る。

Dご両親とも登録簿を作る意思が無い場合は韓国の家庭法院に「家族関係登録創設許可申請」をして両親とは関係なくあなた一人の登録簿を作る。

※ご両親が登録簿を作る方法もあなたと同じ五つのうちのいずれかです。その他の人も今から登録簿を作る人は皆さん同じです。
 

 

面事務所への出生の整理申請・婚姻の整理申請等は、申請後通常半月から1ヶ月で整理された家族関係登録簿の各種証明書が送られて来ます。


家庭法院への「家族関係登録創設許可申請」・「家族関係登録簿訂正許可申請」等は、申請後通常2ヶ月から3ヶ月で訂正された家族関係登録簿の各種証明書が送られて来ます。


詳しくは「業務のご案内」をご覧ください。


尚、当事務所の申請方法は、領事館の申請方法と必ずしも同一ではありませんので予めご承知おきください。因みに民団に依頼した申請は原則として領事館を経由します。