事例２４．
大分県〇〇市役所からの除籍謄本取り寄せと翻訳の依頼

初日

大分県〇〇市役所から電話にて依頼を受ける。

伺ったところ、市道拡張の公共工事のため用地買収を進めていたところ、対象となる土地が亡くなられた人（１世、１９５９年日本に帰化）の名義のままになっている。
相続人調査のため韓国戸籍を取り寄せて翻訳文を付けて欲しいとのこと。

早速、市役所宛に取り寄せに必要な事項を記した説明書と委任状の用紙をお送りする。

７日目

依頼者より取り寄せに必要な書類と委任状（被相続人の長男のもの）が到着。

肝心な本籍が正確に分からないとのこと。つまり「全羅南道 珍島郡 ？？面 龍？里？？番地」としか分からないとのこと。

「韓国地名便覧」と格闘の末、「龍虎里」のある「珍島郡 臨淮面事務所」に請求することにする。

被相続人との親子関係が記載されている委任者（日本国籍）の戸籍謄本に韓国語翻訳文を添付して、被相続人が記載されている全ての除籍謄本と「家族関係登録簿の証明書」の取り寄せの手続きをする。

１４日目

臨淮面事務所より、請求のあった戸籍が存在しないという回答が来る。

再度、「韓国地名便覧」と格闘の末、今度は「龍藏里」のある「珍島郡 郡内面事務所」に請求することにする。 

２１日目

「珍島郡 郡内面事務所」より、被相続人が記載されている除籍謄本と家族関係記録事項証明書が到着。

直ちに、除籍謄本及び家族関係記録事項証明書の翻訳用コピーをとった上で原本を〇〇市役所宛にお送りする。

２８日目

〇〇市役所より翻訳の範囲指定の連絡がある。

３３日目

直ちに依頼のあった翻訳文を作成してお送りする。依頼完了。


所長雑感

この事例では、〇〇市役所は弁護士に韓国戸籍謄本の取り寄せを依頼したそうです。ところが本籍が正確に分からないので、取り寄せは出来ないと言われ、当事務所に相談がありました。

分かっている「本籍」が不完全であっても、専門事務所として最大限のサポートをお約束します。

取り寄せた戸籍上の、被相続人の日本への帰化による「国籍喪失申告」が済んでいませんでした。従って戸籍制度廃止（２００８．１．１）後の「家族関係登録簿」が作成されており、その証明書が送付されて来ました。

事実と一致させるためには、韓国・登録基準地の面事務所への「国籍喪失申告」が必要なのですが、この手続きはしないとのことです。
この点は、日本・法務局の担当登記官の裁量に委ねられているようです。翻訳範囲も同様です。


相続登記用の除籍謄本等は以下の通り送られて来ました。

◇除籍謄本